生きづらさに悶々として苦しんでいた時
いろんな感情が渦巻いて
いろんな角度から
苦しんでいたような気がします。
それは、自己否定感、無価値感、罪悪感
怒り、恨み、悲しみ、孤独感、不安、恐怖
劣等感、無力感、無気力、などなど。
これだけのものが
自分というひとりの人間の中に渦巻いていたら
そりゃあ苦しいだろう、と思います。
苦しくて苦しくて、自分のことだけで精一杯。
人を愛することなどできなくて当たり前。
これらの感情は
それぞれひとつずつ向き合って
丁寧に対処していかなければなりません。
だから、アダルトチルドレンが回復するのに
何年もかかるのは仕方がないことなのです。
どれもそれぞれ苦しいけれども
中でも、私は母を許せないという
恨みの気持ちに悩まされました。
母を許さないと自分が楽になれないと思い
許せるように様々な努力をしました。
内観法といって、母にしてもらったことを
０歳から現在まで全部思い出し書き出したり
（母に対する感謝の念が湧いてきます）
母の子ども時代を想像して
「母も苦労した。母も辛かったんだ」と
理解しようとしたり
時代背景、世間からのプレッシャーを想像して
「まだ心理学というものが一般には
知られていなかった。心の扱い方に無知で
無自覚に子どもを傷つけてしまったのだ」
「教育が加熱していて、立派な子を
育てなければという専業主婦に対する
世間のプレッシャーがあった」と
母を弁護してみたりしました。
そうすると、その時は
納得したような気がしたのですが
しばらく経つとイライラモヤモヤして
「やっぱり母を許せない」と思いました。
そうして、七転八倒しながら
母を許せるようになりたいと思っていた
ある時、私は自分の恨みの気持ちの方に
フォーカスして掘ってみようと思いました。
私はなぜ母を恨み続けるのか？
恨むことによってどんなメリットがあるのか？
こう自分に質問すると、私の中に
思いもよらない考えが出てきました。
それは「母をずっと恨み続けていたい。
そうして母とのロープを切りたくない。
恨み続けてずっと繋がっていたい」
という依存心でした。
母を許してしまったら
私は自分の人生を歩くことになる。
それに対抗があったのです。
同じように、自分を否定し続けるのも
母に対する復讐心からで
私が自分を肯定して幸せになってしまったら
母の罪まで許されてしまう気がするから
なのです。
私が自己否定して苦しいままでいれば
母の罪を責め続けることができる。
「おまえのせいでこうなった！」と。
私は傷ついたままでいたかったのです。
それは、一歩も動きたくなかったからです。
私は自己否定して傷ついたまま
母を恨み続け
心理的に母から離れたくなかったのです。
自分を癒して、母を許すと
自分の人生が始まってしまう。
自立することになってしまう。
例え、それで自分が楽になろうと
幸せになろうと
私は自立したくなかったのです。
自立することが怖かったのです。
とんでもない自分の依存心が出てきて
私は驚いて困惑しました。
でも、一方で
「へーーそんなふうに思ってたんだー」
と面白く思う気持ちもありました。
そうとわかったら
それでも恨みを握りしめ続けるのか？
それとも、もういいやと手放すのか？
選択することができます。
今の自分のために何を選ぶのか？
自分は何を望んでいるのか？
私は自分の心とじっくり話し合いました。
私が、自立することや
幸せになることを怖いと感じ
「いやだ。変わりたくない」と
思っていることも充分にわかってあげて
「本当にこのままでいいの？」と聞くと
心は「幸せになりたい。自分を生きたい」
と言いました。
恨み続けることは
私にとってメリットがあることでした。
でも、もうそのメリットは必要ありません。
私は自立して幸せになると
自分で選択したのです。
だから、私は自分の意思で
恨みを手放しました。
以来、イライラモヤモヤはなくなりました。
母から嫌なことを言われたりしたら
その時は今でもムカつきます。
でも、それは母でも、他の人でも
嫌なことを言われたら
同じようにムカつくと思うので
当然の反応だと思っています。
どんなに自分が辛いと思っていても
ずっと抜け出せないのなら
その中には必ずメリットがあります。
多くは「動きたくない」「変わりたくない」
「進みたくない」「成長したくない」
「自立したくない」「幸せになりたくない」
というようなことだと思います。
動かないでずっとうずくまっていられるなら
エゴにとっては、それが一番楽なのです。
予想外のおもしろい体験でした。
