心のままに〜生きづらさの克服

毒親育ちのアダルトチルドレンが自分を救ってきた日々

起こったことはそれでいい

私がまだ「いい人」の鎧を着ていた頃

私は、常に周りに目を配り

気遣っていました。

 

その場にいる人みんなが

いい気分でないと落ち着かなくて

明るく話を振ったり

さりげなくフォローしたりしていました。

 

 

 

 

 

そんな私が、ある日

お買い物に行こうと道を歩いていました。

 

その道は、人ひとりが

すれ違える程度の幅です。

 

前方に、道を箒で掃除している人がいて

さらに前方からはおじいさんが

自転車に乗ってこちらに向かってきます。

 

私は、おじいさんの自転車が通れるように

掃除をしている人側に寄って道を開けました。

 

私としては「さあ、どうぞお通りください」

といい人の振る舞いをしたつもりでした。

 

自転車のおじいさんは、開けられたスペースを

普通に通って行きました。

 

 

 

ところが

私の後ろからも別のおじいさんが来ていて

「邪魔だ」と言わんばかりに

舌打ちをして私の横を通って行ったのです。

 

 

 

 

私は、一連の出来事を、「はぁ〜〜〜?」

と納得できない思いになりました。

 

なんで道を譲った私が

舌打ちされなきゃならないの⁉︎

そんなこと言ったら

掃除をしてる人も通行の妨げになって邪魔だし

何の配慮もなくただ通って行った

自転車のおじいさんもどうかと思うし

開けられた道を通って行ったおじいさんも

別に何の損もしてないのに

舌打ちするとかなんなの⁉︎

 

 

 

私は、あの状況で考えられる

一番良い方法を取ったつもりでした。

 

 

 

掃除してる人が

人が通る時は端に寄るとか?

自転車のおじいさんが道を開けるべきだった?

私はどうするべきだった?

 

私は、舌打ちをして行ったおじいさんが

どうすれば気分良く通れたのかを

考え続けました。

 

 

 

でも、考えても考えても

私には他にやりようがないのです。

「私にはあれしかできなかった」

なのに人から舌打ちされた。

 

そのことがどうにもモヤモヤして

買い物から帰ってきて

自宅の仏壇(夫の両親は他界してます)

の前に座って「なんで?どうして?

どうすればよかったの?」と

考え続けました。

 

仏様の前というのは、お線香の香りも相まって

なんとなく落ち着くので

私は、すっきりしない時はよく座るのです。

 

 

 

 

 

そうして、仏様の前に座っていたら

ある瞬間に、ふと

「あ、あのままでいいんだ」とわかりました。

 

 

 

思い通りにならないことが起こっても

そのことは、そのままでいい。

掃除をしてる人も、自転車のおじいさんも

舌打ちしたおじいさんも、私も

そのままでいい。

私の選択もそれでいい。

 

そのものごとに意味はなくて

それぞれがあるがままでいればいいのだ。

「そういうことが起こった」

というだけのことなのだ。

 

おじいさんの舌打ちと私は関係ないし

私の問題ではないのだ。

そして、すべてを完璧に丸く収めるなんて

できないこともあるのだ。

 

あの出来事は、ただ

そのまま受け取れればいいのだ。

 

 

 

 

そう、一瞬にして理解しました。

 

その時です。

仏様にお供えしているお花が揺れたのです。

けっこうしっかりと揺れたのです。

 

私は「ええ⁉︎」と驚き、でも瞬時に

「いや、たぶん見間違いだ」

と今見たものを打ち消しました。

ところが打ち消した直後

またお花がゆらゆら揺れたのです。

 

誰も触ってないし、風も吹いていません。

 

「これは間違いない。お花、今揺れた」

私は観念して、その事実を認めました。

 

そして、私が今理解したことが

きっと合っているのだろうと思いました。

そのことを仏様は

喜んでくれているのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

毎日生きていると、理不尽なことや

納得できないことが起こるものです。

 

自分が最善を尽くしたとしても

それが何の意味もなさず

無力感を感じることもあります。

 

けれども、起こることは「それでいい」。

 

自分の思っていたのと違ったとしても

自分をわかってもらえなかったとしても

それは「ただ、そうであるだけ」。

 

 

 

 

 

この時の出来事は、あまりに些細な

あまりにどうでもいい出来事でしたが

これは

もっと大きな出来事であったとしても

同じなのだと思いました。

 

 

 

 

 

私も、人も、ものごとも

あるがままでいいのです。

 

 

 

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