心のままに〜生きづらさの克服

毒親育ちのアダルトチルドレンが自分を救ってきた日々

ひとりで抱え込まない

 

 

最近、歳のせいか膝や腰が痛くて

しゃがんだり、かかんだりが辛いです。

 

 

 

家事は意外としゃがむ、かがむ、が多くて

いつもおばあさんのように

どこかに捕まって立ち上がったり

「よっこらしょ」と声が出てしまったり

しています。

 

機敏に動けない立ち振る舞いが

我ながら「おばあちゃんじゃん」と

思っています。

 

膝、股関節、腰、肩、首など

どこも痛くないと若い頃のように

スッとしなやかに動けるのですね。

 

 

 

 

先日、駅のホームで老夫婦が

ベンチに座るなり

「あーしんど」と口々に言っていました。

 

私は「わかる…わかるよ…」と思いました。

でも、その歳になったら

今の私の「わかる」よりも

もっとしんどいのかもしれません。

 

その歳にならなければ

わからないことってあるのですね。

 

 

 

 

 

そんなことで、最近、私は家事の中でも

特に、お風呂を掃除して作ることが

しんどいなと感じていました。

 

立ったり、かがんだり

背が低いので湯船の奥側に手を届かせるのが

ギリギリで無理な姿勢になったり

私的には重労働なのです。

 

でも、私は専業主婦。

夫は単身赴任で不在だし

長男は就職活動に失敗してうつ気味だし

次男は自分のこともままならない感じで

誰もできそうな人がいません。

 

「専業主婦だし、私がやるしかないよね」

と思って、痛いけれど我慢して

私がやっていました。

 

 

 

 

 

この時の私の思い込みは

「私がやるしかない」

「誰もできる人がいない」です。

 

この思い込みで、今まで

数々のことをひとりで抱え込んできました。

 

「助けてって言っちゃいけない」

「自分の仕事は自分でやる」

という思い込みも強くありました。

 

 

 

働いていた時も、すごく忙しくて

人から「手伝おうか?」と言われても

「大丈夫です!」と断り

「これは私の仕事だから私がやらなくちゃ」

とひとりで抱え込んでいました。

 

結果、忙しすぎて、ストレスで

頭痛、吐き気に悩まされてました。

 

でも、そうしてひとりで抱え込んでいると

いずれ自分が悲鳴を上げます。

「そういうしんどい生き方は嫌だ!」

と思って、私は自分を変えようと

ずっと自分と向き合ってきたのです。

 

 

 

 

 

このお風呂掃除についても同じです。

 

「専業主婦で自分の仕事なのに」

「みんなそれぞれ自分のことがあるのに」

「助けてって言いづらいな」

と、いくつもハードルがありましたが

「でも、自分の声を無視できない」

「考えてみたら実際みんなに聞いてないな」

と思い直し、自分を守る行動を取ってみよう

と思ったのでした。

 

 

 

 

 

私は長男に

「月に3000円あげるから

毎日お風呂掃除して作ってくれない?」

と聞いてみました。

 

「最近、膝と腰が痛くて」と言うと

長男はあっさり「いいよ」と言いました。

 

 

 

長男は、この春大学を卒業しましたが

就活がうまくいかず、元気をなくして

ずっと家にいました。

 

けれど、最近ちょっとずつ

エネルギーが戻ってきたようで

友達と会ったり、買い物に出かけたり

できるようになっていたのです。

 

お米などの重いものは

長男に頼むと買ってきてくれます。

お風呂掃除もその延長なのでしょう。

 

 

 

 

 

よくよく考えてみたら

お風呂掃除を長男がやることで

長男にもメリットがあることに気づきました。

 

 

 

まずは、篭りがちなので

運動不足の体を動かすいい機会になります。

 

 

 

また、勉強もしてない、仕事もしてない

何者でもない自分が嫌で

ストレスがかかっていたのが

毎日自分の仕事がある、役目がある

自分がそれをやることで誰かが助かる

という経験を積めます。

 

こういう小さな行動を繰り返すことで

失われていた自尊心を

取り戻すことができるのです。

 

よく引きこもり支援の現場では

立ち直る前段階で「家事をする」

という行動があるそうです。

 

家事ができるようになったら

だいぶ力が戻ってきた証拠。

 

「自分が何かすることによって

誰かの役に立つ」というのは

自信を取り戻すのに有効なのです。

 

 

 

それから、私は長男に

お風呂掃除をしたら月3000円あげる

と言いました。

 

「家の手伝いをするのにお金をあげるなんて」

と思われる方もあるかもしれませんが

これも、私は大切なことだと思っています。

 

就職もできず、バイトもできない長男は

当然収入がないので、うちでは

月に10000円のお小遣いをあげています。

 

 

 

これも引きこもり支援の現場で

よく問題になるそうですが

お小遣いはあげた方がいいそうです。

 

お金がない方が頑張って働こうと思うだろう

と思ってあげない親も多いそうですが

お金がないと人間としての欲がなくなり

余計に外に出る意欲がなくなるそうです。

 

それよりも、毎月決まったお金をもらえて

それを、好きなものを食べたり

欲しいものを買ったり、楽しんで

自分の自由に使える方が

生きる意欲も湧いてくるものです。

 

人間は、厳しく追い詰めたから

動くだろうというものではなく

やっぱり自分の好きなことをしたり

圧力のない自由な環境で力を蓄えて

やがて動けるようになるのだと思います。

 

 

 

そういうわけで、うちでは

月10000円のお小遣いを

あげているのですが、正直

私は足りないだろうと思っています。

 

私は気軽に、好きなもの食べに行ったり

欲しいものを買って楽しんでほしいので

もっとお小遣いを増やそうとするのですが

長男は気兼ねして受け取れないのです。

 

「10000円で足りる」と言い張ります。

 

でも、自分が働いた分の報酬なら

抵抗なく受け取れます。

たった3000円ですが、長男にとっては

意味のある3000円になるでしょう。

 

本当は外でバイトができたらいいですが

その前段階として、家で働いて

その対価を受け取るということが

できたらいいかなと思います。

 

それに、ADHDには

モチベーションを上げるのには

報酬が必要なのです。

(長男はADHDです)

 

 

 

 

 

説明が長くなりましたが

そんなわけで、お風呂掃除をすることは

長男にとってもメリットがあって

そして、私は痛いのを我慢しながら

しんどいことをしなくて済んで

みんながハッピーになったのでした。

 

つくづく、誰かひとりが犠牲になって

我慢や無理をするよりも

できる人ができることをやって

助け合った方がこの世界は調和するのだな

と思いました。

 

 

 

お風呂掃除は、自分で思っていたよりも

私の負担になっていたようで

「明日からやらなくていい」と思うと

本当にホッとして心が軽くなりました。

 

「私しかやる人がいない」と思い込んで

我慢しなくて良かったです。

「だめかもしれないけど

とりあえず一回聞いてみよう」と

口から出して言ってみて良かったです。

 

 

 

自分を守る行動ができて

私はとても満足しています。

 

 

 

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