心のままに〜生きづらさの克服

毒親育ちのアダルトチルドレンが自分を救ってきた日々

特別な人になりたい

 

 

 

自分の楽しみがわからなくて

自分の喜びがわからなくて

自分が何のために生きているのか

わからなくて

自分の中が空っぽで空虚な人は

「自分は特別な存在だ」と思いたい。

 

空虚だからこそ

「自分は特別な存在だ」と思いたい。

 

 

 

「特別」とは

人より学校の成績がいい、とか

何か得意なことがある、とか

人より輝ける、とか

お金を稼いでる、とか

何か成果をあげることができる、とか

人の役に立っている、とかだ。

 

本当は、自分には何もないから

だからこそ、特別な何かが欲しい。

 

 

 

 

 

アダルトチルドレンな私も

もちろん、ずっとそう思って生きてきた。

 

私は、ずっと

「自分は特別な人になるのだ。

特別な存在なのだ。」と信じていた。

 

信じていたというより

そのことにすがっていたのかもしれない。

 

「自分は特別な存在だ」と思うことは

麻薬のように気分のいいことだった。

 

それだけで、とても安心して

生きていける気がした。

 

私がここまで生きてこられたのは

「自分は特別になるんだ」と思って

自分を保ってきたからだ。

 

そうして、何かを目指して

がんばることで自分を保っていた。

 

だから、ここまで来れた。

今、ここにいられる。

 

 

 

 

その思いがなかったら、この世は辛すぎる。

生きることは無理だっただろう。

 

何の望みもない空虚な人に

「ありのままの自分を見ろ。

等身大の自分を受け入れろ。」

と言っても、たぶん難しい。

 

それは、とても恐ろしいこと。

とても受け入れられないこと。

 

無力で惨めな自分の本当の姿など

認めてしまったら

辛すぎて生きていけないのだ。

 

 

 

 

だから、そこからは目を逸らし

または気づかないふりをして

ひたすら「特別な人」を目指す。

 

「自分は無力じゃない。

自分は惨めじゃない。

特別な存在なんだ。」と思うことで

なんとか自分を保ち、生き延びている。

 

 

 

 

私も、その妄想に支えられていた。

「自分は特別なんだ。人の役に立つんだ。」

と、そんな価値ある自分に支えられていた。

 

心の空っぽな人は

その妄想を必要としている。

 

それは、生きるために必要なのだ。

 

 

 

 

 

でも、それで自分を保ちながらも

日々、自分と対話を続け

自分の楽しみとは?喜びとは?と

問い続けていると

そのうち、ある一定の力がついてくる。

 

空っぽな自分が少しずつ育ってきて

力をつけてくる。

 

 

 

 

そして、あるレベルまで力がついたら

そろそろ現実を見てもいい頃だ。

 

あるレベルまで力がついたら

現実を見ても耐えられる。

辛いけれども、踏みとどまれる。

 

現実を見て、本当の自分を知り

それをそのまま受け入れて

真の大人になるのだ。

 

真の自己として自立するのだ。

 

 

 

 

「特別な自分」を手放すのは

思いのほか痛い。辛い。怖い。

 

現実を生きるのは恐ろしい。心細い。

 

私も、「特別な自分」を手放して

現実の自分を見たら、途端に

無力で無能で惨めな自分になった。

 

この惨めな自分を認めたくなかったのだな

と思った。

 

それは、確かに絶望だった。

そこにあるのは絶望そのものだった。

 

私は「耐えられるだろうか?

生きていけるだろうか?」と

少し不安になった。

 

でも、私についた心の力が

なんとか踏ん張ってくれた。

 

私は、自分を助けると決めていたのだ。

だから、その混乱を乗り越えられた。

あの時「特別な自分」を手放せた自分

グッジョブと思っている。

 

 

 

 

自分に対する妄想を手放すことができて

初めて、そこから

ありのままの自分を見て

そのまんま受け入れていくという

作業を進めることができる。

 

「自分は特別なのだ。立派になるのだ。」

という自分に対する妄想を握り締めていると

ありのままの自分を受け入れるということは

できないだろう。

 

そんな、自分に対する妄想は

自分の成長を阻む厄介なものだけれど

でも、それでなんとか生きている

という時期もある。

 

だから、私は自分を見つめないで

目を逸らすことも否定したくない。

 

それで生き延びている部分もあるのだ。

 

 

 

 

でも、心の力がついてくれば

そのうち本当の自分を見つめることが

できるようになる。

 

人は成長するものだな、と思う。

 

 

 

f:id:miiko-3:20211218200517j:image