家族とは本当にめんどくさいものです。
それぞれに違う人間が寄り集まって
問題ばかり起こる。
お互いにわかり合えない。
話し合いにならない。
感情に任せて
主観ばかりを主張する者同士の集まり。
本当に疲れます。
殺人事件も家庭内で起こるのが
一番多いらしいです。
それだけ、人間が近くにいるということです。
人間は、距離を取れば
ある程度トラブルを回避できます。
でも、距離を取りたくても
取れないのが家族。
折り合いが悪いのに近くにいるから
関係はどんどん拗れて悪化するのです。
また、「家族なんだから」という甘えから
相手への配慮や尊重が足りなくて
関係が悪化するという側面もあります。
他人には言えないことでも
家族には言えるというのは
よくあることかと思います。
そんなめんどくさい家族ですが
しかし、それが「家族」なのです。
家族療法では
「家族は葛藤を学ぶ場だ」と学びます。
家族は、初めての他者との遭遇。
生まれてきて、人が出会う初めての社会。
社会とは他者との交流のことなのです。
家族こそが最も基本的な社会で
最初の社会経験の場で
そこでうまくいかなければ
本物の社会に出てもうまくいかないでしょう。
家族とは最も激しい軋轢の場で
この葛藤が人を傷つけ疲弊させるのですが
この葛藤を乗り越えた先に成長があります。
家族は、葛藤を学ぶ場、
「わかり合えない」を学ぶ場です。
だから、なんだかギクシャクしていても
それでいいのです。
そのままの関係性を維持していき
葛藤があり続けていいのです。
「わかり合えない」を学ぶことで
つまりは「自分の理解を超えたところで
生きる人もいるのだ」と学ぶことができます。
それは、社会に出た時に
大いに自分を助ける思考となるでしょう。
家族は葛藤を学ぶ場であるけれども
そんな中、優しさや思いやりがあったり
共感や助け合い、理解し合えることは
とても素晴らしいことです。
それが当然だと思っていると
苦しいでしょう。
理解し合えるということは
実は、稀で、貴重で
とても素晴らしいことなのです。
そんなめんどくさい家族
なんとか折り合いをつけて
生きていきたいですね。
