心のままに〜生きづらさの克服

毒親育ちのアダルトチルドレンが自分を救ってきた日々

母は悲しい人

心を癒す心理療法のひとつに

エンプティチェア(空の椅子)という

技法があります。

 

これは、投影の原理を

応用したものだそうですが

私もやったことがあります。

 

とても不思議な、というか

びっくりな体験でした。

 

 

 

この技法は、その人(クライエント)にとって

ある人物との関係性が重要なテーマであると

考えられる時に行われます。

 

だから、私はもちろん母との関係について

やってみました。

 

 

 

 

 

 

やり方は、まず

自分の前に誰も座っていない椅子を置いて

そこに、ある人物(母)が座っていると

仮定します。

 

そして、その架空の母に向かって

自分の言いたいこと、伝えたいことを

思う存分言います。

もうこれ以上何も出てこないというまで

溜まっていた思いを吐き出します。

 

そして、今度は自分が空の椅子に移動して

座って、その人(母)になってみます。

その人になってその人の気持ちを探ります。

 

すると、その人(母)が

イメージの中で何か言うでしょう。

 

そうしたら、また自分の椅子に戻って

それに対して言いたいことを言います。

 

こうして、自分の椅子と空の椅子を

何往復もしてその人と対話していきます。

 

そうしているうちに、いつのまにか

自分の心の中に澱んでいたものが

浄化されて、癒されいくというものです。

 

 

 

 

 

 

不思議なのは、空の椅子に座ると

本当に母のリアルな気持ちが

わかるような気がするということです。

 

自分では思いつかないような

自分の予想とは違うようなことが

後から後から出てくるのです。

 

母がここに(自分の中に)いるのかな?

母が乗り移っているのかな?

と思ってしまうくらいです。

 

 

 

 

 

母はこう言っていました。

 

「私は自分を守ることで精一杯で

あなたに優しい愛情を

かけてあげる余裕がなかった。

自分を守るためにあなたを攻撃してしまった。

 

自分が嫌いで、自分を許せなくて

自分の分身のようなあなたに

きつく当たってしまった。

 

私はあなたの望む愛をあげられなかった。

あなたの理想のお母さんになれなくて

ごめんなさい。

あなたの理想のお母さんになるのは

私には無理です。ごめんなさい。

 

でも、あなたを嫌いなのではなく

本当に大切な娘だと思っています。

幸せになってほしいと思っています。

 

自分にできることは

精一杯やってきたつもりです。

でも、あなたを傷つける未熟な母親で

ごめんなさい。

 

これだけは本当です。

あなたが大好きです。」

 

 

 

 

 

母は、絶対に私に謝ることはありませんが

心の中では謝っているようでした。

でも、どうしても自分の感情を

コントロールできなくて

優しい母親にはなれない、無理

と言っていました。

 

自分の心の内がいつも波立っていて

自分でもどうしようもなくて辛い、

だからあなたを気遣うことはできないけれど

あなたのことは好きだし

幸せになってほしいと思っている、

と言っていました。

 

これは、本当は私自身の投影らしいのですが

私は、なんだか本当に母が

こう思っているようで

「お母さんも辛くて

どうしようもなかったんだな。

人間にはできないこともあるよね」

と妙に納得してしまったのです。

 

 

 

このことで、私は母のことを

客観的に見られるようになりました。

 

「大好きだと思っている人(私)に

嫌われるのは辛いよね。

それなのに自分を変えられないのも

辛いよね。悲しいよね」

と母が悲しい人に思えてきたのです。

 

 

 

 

できない自分って悲しいですよね。

人を傷つける自分って悲しいですよね。

子どもに嫌われる自分って悲しいですよね。

 

母の人生って何だったんだろう?

母は悲しい人だなと思いました。

 

 

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