もう何年も前のことです。
私は、別の場所で
ブログを書いていました。
その時も、ただ
思ったことを書いていたのですが
ある時、私のブログを読んでくれた方から
メッセージをいただきました。
詳しい内容は忘れてしまいましたが
要約すると、私に対して
「苦しそう。かわいそう。
助けてあげたい。教えてあげたい」
ということでした。
その方は、人を癒すセッションをされていて
「無料でやってあげたい」と言います。
完全にその方の善意なので
私はありがたくセッションを
受けさせていただくことにしました。
そのセッションを受け、呼吸が深くなったり
小指に乗っていた重心が足裏全体になったり
体感として明らかに何らかの影響を受けたので
私は、大変感謝しました。
けれど、感謝すると同時に、正直
不愉快な気分の私もいたのです。
その時の私は、確かにしんどかったけれど
それを人から「苦しそう」と
かわいそうな人だと思われることに
抵抗がありました。
私のエゴが、そのことを
不快に思っていました。
エゴは「私は助けてもらう側じゃない！
助ける側だ！」と思いたいのです。
「私は弱者じゃない！」と言いながら
本当は「私は弱者だ」と思っていて
「私は無力じゃない！」と言いながら
本当は「私は無力だ」と思っています。
そんなふうに自分のことを思っているからこそ
弱者や無力な者であることを隠すために
自分が人を助ける側になることに
こだわるのです。
この時の私は
「人の施しを受けるなんて惨めだ」
と屈辱を感じていたのでした。
私は、すべてを優劣で見る世界にいました。
基本的に自分は「劣っている」。
その劣った自分を
余裕のある幸せな人が助けてくれる。
そうやって助けられることで、さらに
劣っている自分が強化されました。
「やっぱり私は弱者だ。無力だ。
劣っていて、ダメな人間だ」
私は惨めでした。
けれど、人を優劣で見るのは
本来、間違ったエゴの見方なのです。
「自分は劣っている」というのも
間違った見方なのです。
なぜ劣っている？
苦しいから？しんどそうだから？
自分を幸せにできてないから？
幸せな人は優れていて
幸せじゃない人は劣っているの？
違います。
苦しい人は、今その時期を体験してるだけ。
幸せじゃない人は、その体験から
いろいろなことを学んでいるだけ。
劣っているから幸せになれないのではなく
劣っているから苦しいのでもなく
その人はその人だけの
かけがえのない体験をしていて
それは、それだけで素晴らしいのです。
人には、それぞれ課題があり
ペースがあり、タイミングがあります。
だから、今どんな状況であっても
その人はその人の人生を懸命に生きていて
それは敬意を表するに値するのです。
劣っている人などいません。
本当は、優劣などありません。
その人はその人だし、自分は自分です。
個々の違いはあるけれども
その違いは優劣ではないのです。
嫌な気分になった私は
その気持ちを掘り下げていき
この結論にまで達しました。
そして、そうなったということは
それがちょうどいいからそうなっているので
私は、このギフトを受け取ろうと思いました。
私を気にかけて
セッションしてくださった方の優しさと
「自分は劣っている」という観念を
見ることができた、ふたつのギフト。
このふたつのギフトを、両方とも
心を開いて受け取ろうと思いました。
こんな感じで
自分が不愉快になったらチャンスです。
「どんな気持ちなの？」
「どうしてそう思うの？」
「それはどうしてそうなの？」
と掘っていくと、いつか
自分を苦しめている観念に行きつきます。
その自分が奥底で信じている観念を
白日のもとに晒して
「それは本当にそうなの？」と改めて問うと
「あれ？本当かな？」と観念が緩んできます。
観念が変われば、起こる現実も変わります。
そうして自分と向き合うことで
もし次に同じシチュエーションになっても
モヤモヤしたり不愉快にならなくなります。
だから、自分を知れば知るほど
生きやすくなるのです。
モヤモヤやイライラは
自分からのメッセージです。
