人間、生きていると
たまにはアクシデントに遭ったり
嫌な出来事が起こったりするものです。
これは、たぶんずっとそうなのだと思います。
例え、自分の問題を克服して
自分の人生を生きていたとしても
悩みがなくなって
幸せに生きていたとしても、たまには
想定外の出来事に見舞われるのでしょう。
けれど、アクシデントや嫌な出来事も
全体像を見てみると
マイナス面ばかりではないとわかります。
私の日常の些細な体験を例にお話します。
私は、ある日自転車置き場で
不注意から置いてある自転車を
１０台くらいドミノ倒ししてしまいました。
私は、自分の隣の自転車に
ほんの軽く触れただけなのですが
それはそれはキレイに、１０台の自転車が
バタバタと連続して倒れていきました。
その様を見て「ウソでしょー？」と
私は絶望しました。
「今日は最悪の日だ。やな感じの日だ」
と気分は駄々下がり、憂鬱になりました。
でも、仕方なく倒れた自転車を
起こしにかかり始めると、どこからか
「大丈夫ですかー？」と人が現れ
起こすのを手伝ってくれました。
さらに２〜３人の方が加わり
自転車は案外あっさりと
全部起こし終わりました。
私は大変恐縮して、みなさんに
「ありがとうございました！
すみませんでした！」と繰り返しました。
また、別の日には
子どもの保護者が集まる機会があって
私はあるお母さんから、かなり攻撃的な
嫌な物言いをされました。
言いがかりのようなものだったのですが
相手の感情的なキツイ言い方に
その場で反論もできず
本当に嫌な気分になりました。
その日も「最悪の日だ…」と
ムカムカした気持ちでいましたが
帰りに、別のお母さんから
声をかけられました。
「私も前同じように言われたことがある。
嫌な気分だよね。一緒に帰ろう」
そのお母さんとは
特に仲が良かったわけではないのですが
私の様子を見て
一言、元気づけたかったようでした。
「あなたは悪くないよ」という
メッセージも伝えたかったようです。
このお母さんのおかげで
私はこの日、本当に救われました。
このような出来事は他にもたくさんあります。
こういうことが起こると
この世の中には冷たい人もいるけれど
あったかくしてくれる人もいるんだな
と、なんだか納得する気分になりました。
大変な目に遭っても
それで終わりではなく
助けてくれる人が現れる。
冷たい人とあったかい人が両方いる。
良いことと悪いこと、両方ある。
それが、この世の中なのだ
と思いました。
よく、自分の心の在り方が
目の前の現実に反映されると言われます。
これは、経験上、本当にそうだと思います。
でも、嫌な出来事があった時に
全部が全部「自分のせいだ。自分が悪い。
自分が引き寄せたのだ」と思うのは
違うと思います。
たまたま遭遇しただけ
ということもあるかもしれないし
そのことから大きな気づきに繋がる
ということもあるかもしれません。
「自分が悪いからそうなった」と
罰を与えられたのではなく
そのことで、自分の中の
もういらない思い込みや感情を手放して
自分がより軽やかになるために
起こっているのです。
悪い出来事、嫌な出来事は
自分に対する罰ではなくて
「気づくこと、手放すことがあるよ」という
愛のあるメッセージが込められているのです。
だから、嫌な出来事が起こったら
「私の内面はまだ全然ダメだ…」と
落ち込まないで
「よし！チャンス到来！
さて、何に気づけばいいのかな？」と
ワクワクするくらいでいいのです。
実際、嫌な出来事の後に
大切なことに気づけたり
長年抱えていた感情と向き合えたりして
それにより自分のいるステージが
ワンランクアップすることが多いです。
これは、何事も起こらない
温室のようなところにいたら難しいです。
嫌な出来事はハードだけど、その分
自分が成長できるということです。
生きていれば、嫌な出来事は起こります。
けれど
良いことも悪いこともあるのがこの世の中。
だから、悪いことが起こってもいい。
そして、そのことで「自分のせい」と
落ち込まなくてもいい。
そこには、「もうすぐ成長できるよ」
という優しいメッセージが
込められています。
そして、その悪いことの中に
同時に良いことも起こっているということに
気づけたら、その悪いことは、思うよりも
悪いことではないのかもしれません。
そんなふうに
この人生の旅を続けたら
楽だろうなぁと思いました。
